「女性ホルモンの○○をこのくらい飲んでいるけど、これで大丈夫?」というようなご質問を、いただくことがよくあります。女性ホルモンをどのくらい使用したらいいかの、明確な基準はありません。また、ホルモンの効きやすさには個人差もあるため一概には言えないです。

一応、女性ホルモンの使用量の目安は、国内外の論文で示されていますが、それらも一例にすぎません。ある人には少なすぎるかもしれませんし、反対に多すぎる可能性もあります。

このようなことから、血液検査を定期的に行って、男性ホルモンの下がり具合に応じて、ホルモンの量をコントロールする方法がいいと言われています。過剰投薬による副作用を抑えることも期待できます。

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MTFの女性化でめざす、男性ホルモン(テストステロン)値の目安

MTFの女性化では、精巣によってつくられる男性ホルモン(テストステロンなど)を抑制することが、大切です。男性ホルモンが多いままだと、男性らしい体(筋肉・体毛など)が維持されるからです。女性化目的でよく用いられる、エストロゲン※だけでも、ある程度の量使うことで、男性ホルモンの生成を抑制することが期待できます。

では、どのくらいまでテストステロンを抑えればいいのでしょうか。これにも諸説ありますが、おおむね女性の基準値の範囲に収まっていれば、大丈夫そうです。テストステロンの基準値として示されている値は、臨床検査会社によって多少の違いはありますが、おおむね10~55ng/dL?[0.10~0.55ng/mL](女性)くらいです。

あくまでも私の考えですが、正常値の上限(55ng/dL)よりは少ない値を目指したほうがいいと思います。ただし、少なすぎるとうつのような症状が出ますし、近年女性におけるテストステロンの必要性も議論されているようですので、少なくしすぎないようにしたほうが無難でしょう。

 

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※女性ホルモンの1種。「卵胞(刺激)ホルモン」とも。エストロゲンとプロゲステロンの違いについては、次の記事も参考になります。

女性ホルモンの種類―卵胞ホルモンと黄体ホルモンの違い

 

エストロゲンを投与しても、なかなか男性ホルモンが下がらない場合は、アンチアンドロゲンを使用する例もあります。詳しくは、次の記事をご覧ください。

抗男性ホルモンは睾丸摘出手術の代わりになるの?:アンチアンドロゲンはこんな時に使います

テストステロンはどうすれば検査できるの?

内科・泌尿器科などで検査できます

内科や泌尿器科、産婦人科などで、「テストステロンの検査をしてほしい」と言えば、ほとんどの病院で受け付けてもらえると思います。検査をする理由を聞かれるかもしれませんが、「気になるから知りたい」といえば大丈夫だと思います。。もし追求されたら、「性同一性障害の治療のため」と正直に伝えてもいいでしょう。

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検査費用は自費です

気になるから調べたいにしても、性同一性障害の治療のために知りたいにしても、テストステロンの検査は自費になる場合が多いです。ジェンダークリニックなどでは、保険適用で検査してくれることもあります。

では、検査費用はいくらくらいでしょうか。

初診(再診)料[690(再診)~2,700(初診)]判定料[1440]+テストステロン検査[1310]採血料[250]

合計で3,700~5,700円くらいです。。少々、高いですよね。。しかし、これで効率的にホルモン療法ができるのなら、安いのではないでしょうか。効いているかわからないで、ホルモンを飲んでいるよりは、安心できますよ。

テストステロンの検査は午前中にしましょう!!

テストステロンは日内変動があるため、時間帯によって値がかわります。生まれながらの男性の場合、午前中に最も高い値になるので、午前中に測定したほうがいいです。

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ここまで、テストステロンの検査について紹介しました。テストステロンの検査結果をもとにした、女性ホルモンの調節は次の記事をご覧ください。

効果的かつ安全な方法~血液検査で女性ホルモンの調整~

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