MtFが女性化するためにとる女性ホルモンはエストロゲンですが、プロゲステロンが合わせて使われる場合もあります。本ページでは、エストロゲンとプロゲステロンのはたらきの違いを説明します。また、プロゲステロンがMtFに必要かどうかも検証してみました。

2種類の女性ホルモンの違い

女性ホルモンと呼ばれるホルモンは2種類あります。

エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。

MtF(元男性)が身体の女性化を目指して使うのは、主にエストロゲンですが、男性ホルモンを抑えるなどの目的でプロゲステロンが併用されるケースもあります。

生まれながらの女性(純女)では、この2つのホルモンが周期的に変化しています。MtFは生理的なホルモンバランスの変動はしませんが、ホルモンをとってからしばらくすると代謝して減少するため、似たような症状がでるかもしれません。

下のグラフをご覧ください。このように一般的に生理と言われる現象は、ホルモンの変化によってもたらされているのです。

生理周期とホルモンのバランス

エストロゲンとは

女性らしい身体をつくるホルモンです。皮膚や骨をはじめに、脳、感情にも影響を与えて、女性らしくします。このため、MtFが女性化目的で使います。

純女は、エストロゲンが多い時期は調子が良く、肌も綺麗です。

 

プロゲステロンとは

エストロゲンが女性らしい身体を作るのに対して、プロゲステロンは受精しやすくしたり、妊娠を継続しやすい状態を維持するなど、主に妊娠を助ける作用をします。

プロゲステロンには、妊娠に備えて食べた脂肪を蓄えるはたらきをします。そのため太りやすくなるのですが、MtFにとっては女性的な脂肪がつくため、いい結果をもたらすともいわれています。

また、プロゲステロンには乳腺の発達を促す作用もあるために、プロゲステロンを配合したバストアップサプリメントもあるくらいで、バストアップの目的で使うMtFもいます。

 

MtFにプロゲステロンは必要か

先ほども書きましたが、MtFが女性化するために使うのはエストロゲンです。

多くの医師が、MtFの治療としてエストロゲンを使います。

中には、プロゲステロンも合わせて使う先生もいますが、主に男性ホルモンを抑える目的で使われます。しかし、男性ホルモンを抑える目的ではスピロノラクトン(代表薬:アルダクトン)やシプロテロン(代表薬:アンドロクール)などが使われることも多く、それらの代わりにプロゲステロンを使うのが良いかどうかは諸説あり、医師でも意見がわかれるようです。

また、プロゲステロンの副作用として鬱になりすいため、鬱の傾向にある人は止めておいた方がいいかもしれません。

 

2016/1/17 追記:

多くのMTFの意見では、プロゲステロンを使った方がいいとのことです。理由は、男性ホルモンを抑える効果が期待できるのと、バストアップが期待できるからです。ただし、前述したように、鬱になりやすい人や身体に合わないと感じたら、やめておいた方がいいです。

プロゲステロンがなぜバストアップにいいかは、「バストアップにはエストロゲンだけと思っていませんか? バストアップの三大要素」で説明しています。

 

参考文献

  • 対馬ルリ子 「基礎体温と女性ホルモンのしくみ」
    http://www.terumo-womens-health.jp/learning/8_1.html 2015年7月16日取得
  • 「プロゲステロン」Wikipedia
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%B3 2015年7月16日取得
 , , ,