性同一性障害の診断があれば、1年くらいの通称使用で、女性名に改名することができます。性別の変更には性別適合手術が必要ですが、名前が女性になっただけでもだいぶ生活しやすくなりますので、おすすめです。この記事では、管理人の記録を元に、「名の変更許可の申立て」の手順を紹介します。
名前を変えるには、家庭裁判所に「名の変更許可の申立て」をして許可を受ける必要があります。もちろん単なる趣味や、信仰上の希望などでは認められませんが、「正当な事由」があれば、許可を受けることができます。
裁判所の申立書には次のような理由があげられています。
- 奇妙な名前である
- むずかしくて正確に読まれない。
- 同姓同名者がいて不便である。
- 異性とまぎらわしい。
- 外国人とまぎらわしい。
- 神官・僧侶となった(やめた)。
- 通称として永年使用した。
- その他
性同一性障害の場合は「8.その他」で申請します。最近は性同一性障害が知られてきているので、医師の診断書があれば、半年~1年程度の通称の使用でも許可される場合が多いです。※なお戸籍上の性別変更の後に行う場合は、「4.異性とまぎらわしい」に該当します。
とにかく女性名を通称として使う!!!
名の変更許可は、「これからこの名前を使いますから、許可してください」ではなく、「この名前を使っているんですけど、本名じゃなくて不便だから、変更を許可してください」というスタンスになるみたいです。
なので、早い段階で女性名を考えて、使い始めてください。ポイントカードや名刺、社員証、学生証など可能な限り女性名を通称として使ってください。公共料金(電気・ガス・水道)は、本名でなくても変更できますので、契約者名を通称に変更したり、領収書の宛先の名前を通称にしたりします。あわせて、友だちや家族にお願いして、通称名あてに手紙を書いてもらいましょう。
1年くらいたったら ⇒ 名の変更許可の申立て
この記事では申請者が15歳以上の場合の申立てのしかたを紹介します。15歳未満の場合は親(親権者)が行います。
申立先
住んでいる地域(住所地)を管轄する、家庭裁判所に申し立てます。
管轄裁判所は、裁判所ホームページで調べることができます!
申立てに必要な費用
- 収入印紙800円分
→郵便局の郵便窓口やコンビニで買えます! 夜間にもやっている“ゆうゆう窓口”でも購入できました。) - 連絡用の郵便切手
→裁判所によって必要な切手の枚数が違うみたいなので、裁判所に電話して確認します。 - 裁判所によっては、必要な郵便切手の枚数がホームページに書いてあったりします。
例:)東京家庭裁判所の場合
?東京家庭裁判所ホームページ → 裁判手続きを利用する方へ → 手続案内 → 審判の「戸籍上の氏名や性別の変更などに関する審判の申立書」のところの「説明」というPDFファイルに書いてあります。- 裁判所のホームページは見づらいです・・・。裁判所全体のホームページではなく、各家庭裁判所のホームページをご覧ください。
申立てに必要な書類
- 申立書
裁判所の窓口でもらいます。裁判所ホームページからダウンロードすることもできます。 - 標準的な申立添付書類
- 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 名の変更が許可されたら、届け出先の役所(住所地)と本籍が異なる場合、戸籍謄本が再度必要になる場合もありますので、2通とっておくと便利です。
- 名の変更の理由を証する資料 通称名の書いてある会員証や郵便物などのコピー
- 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 性同一性障害の診断書 1通でも大丈夫みたいです。
管理人が申請した流れ
1月9日(土) 午後 書類一式を作成
収入印紙と切手はあらかじめ買ってあったので、名の変更許可申立書を記入しました。
裁判所のホームページにある記入例を参考にしながら1枚目を記入。
2枚目には、申し立ての趣旨と理由を記入します。
次のようなことを書きます。。
- 性同一性障害の診断を受けていること
- ホルモン治療を受けていること
- 社会生活でも女性として生活していること
- 女性としてある程度通用(パス)していること
- 周囲の理解を得られていること
- 今後は、ガイドラインに従って性別適合手術を受ける予定であること
- 本名を使うことに抵抗がある(精神的な苦痛を覚えること)
- 女性名を通称として使ってきたこと
- 本名と通称が異なるので困っていること
- 家族の理解が得られていること
参考までに、私の例です、。急いで書いたので汚い字でごめんなさい。
理由は8.その他を選択して、(性同一性障害のため)と記入しました。
内容はこんな感じです↓↓。
申立人は、専門医により性同一性障害の診断を受けていて、カウンセリングおよびホルモン療法を継続して受けています。また、社会生活においても女性の身なり服装及び女性としての性役割で過ごしております。周囲の理解もえられ、家族をはじめ、学校・友人などにも女性として認識されています。今後は、日本精神神経学会の定める「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」にそって性別適合手術を受ける予定です。
そうした中、申立人の戸籍上の名は男性名のため、女性として生活するうえで不都合であります。また、戸籍名を見るたびに、自らの生まれながらの性別を強く意識させられ、精神的な苦痛をおぼえます。そこで、家族とも相談の上、女性名ととれる「***」を通称として、平成27年4月以降、使用してまいりました。今では、申立人は、学校をはじめ、多くの場面で「***」として通用しています。
しかし、実際に使用している名と戸籍上の名が異なるため、身分証明や本人確認などで支障があり、やむを得ず戸籍名を使おうにも苦痛を伴い困っております。
現在では、戸籍上の名よりも通称のほうが広く認知されているため、名の変更による混乱はないものと考えられます。
このようなことから、名の変更の許可をいただきたく、申し立てます。
裁判を意識してカタメの文体で書いてみました(笑)。普通の文体で大丈夫ですよ~~。
>>次のページでは、郵便局で書類を送ってから、許可されるまでのことが書いてあります!
審判, 改名, 裁判