性同一性障害をはじめとするLGBTへの理解が進みつつあるため、カミングアウトしたうえで元男性が女性として生活することは、以前に比べて簡単になった気がします。今から数十年前では、男性が女性として生活しようと思ったら、どこからみても100%女性に見えなけらば難しかったそうです。差別や偏見もあり、いきなり暴言を吐かれたり、石を投げられることもあったと、その道何十年のおネエさまから聞きました(笑)。

そういう時代背景もあり、MTF(男性から女性)トランスジェンダーには、水商売や風俗で働いているというイメージがありました。でも、今では学生のMTFも増えてきましたし、昼間のお仕事(一般職)をしている人も多いです。そうした在職トランスさんの中には、ニューハーフさんよりも女性らしい人もいますが、パス度があまり高くない人も少なくありません。まだまだ元男性とわかるレベルでも、周囲の理解と協力があれば女性として生活することができるのです。

こうしたことから、当サイトでは「パスすること=社会に女性として適応すること」という考え方で、記事を書いています。また、ガイドラインにそくした性同一性障害の治療も、「女性として社会に適応できるようサポートすること」がメインです。体を女性化することはあくまでも、女性として生活しやすくするための手段なのです。

本当の意味での「パス」とは

配慮パスに甘えない

でも、いくら性同一性障害が理解されつつあるとはいっても、努力を怠ってはだめだと思います。当事者としては、できるかぎり女性に近づく努力をしたほうがいいでしょう。昔のMTF・ニューハーフさんはバレたらただでは済まないことが多かったので、必死で努力していました。でも、最近のMTFさんは(元)男性とわかってもさほど不都合がないからなのか、見た目が男そのままで、体毛の手入れすらせず、診断書を“錦の御旗”のように掲げて、甘えている人も少なくないようです。

私もあまり人のことを言えたものではありませんが、あまりにもひどい人をみると、「本当に心が女性なんですか?」って聞きたくなります。もし、あなたが女性だとしたらこういう人が女子トイレや女性だけのところに入ってきたらいい気分はしないですよね? 「病気だから仕方ない」という姿勢ではなく、ごく自然に同性と認識してもらえるよう努力するのが本来の姿勢なのではないでしょうか。

見た目だけオンナでも・・・

一方で、もともと体に素質があったり、美容整形を駆使したりして、どっからどうみても女性なのに、言動が男そのものの人もいますよね。体だけ女性らしくても、話し方やしぐさが男性のままでは、女性としてパスしているとは言えないと思います。確かに、関係ない人やショッピングなど短時間の接触では、女性として見られます。

しかし、もし女性として一般社会で働くとしたら、どうでしょうか。女性と同性として仲良くできますか? パスすることは「女性に見える」ことではなく、女性として社会で何らかの役割を果たすことだということを思い出してください。

体だけ女でも・・・

女性として社会で活動する

女性として社会に適応することが本来のパスだとするなら、見た目を女性に近づけるだけではパス度を上げるには不十分です。ある程度、見た目も大切ですが、ある程度女性らしくなったら、女性として社会活動をする経験をしたほうがいいと思います。学生でしたら、女子生徒(学生)として学校に通ったり、フリーターさんでしたら女性として就職して働くことはいい経験になるでしょう。

女性として働いてみる

自分の見た目のパス度(どれだけ女性に見えるか)によりますが、はじめは元男性であることをカミングアウトしたうえで働けるお仕事(派遣・バイト)から初めるといいと思います。できるだけ元男性ということは話さず、店長や現場の責任者など限られた人のみが知っているという環境をつくります。そのうえで、女性として自然にふるまえるよう周りの同僚のふるまいをまねます。

dd6b607a6319e360c9b1f2772ceb63d3_s

女性として働き、ある程度自信がついてきたら元男性だということを伝えず、求職して、働くといいかもしれません。バレたらまずいことになるという緊張感は、あなたの女性化を進めるでしょう。人間は追いつめられると、思っている以上の力を発揮できるようです。「火事場の馬鹿力」ということわざがありますよね(*^^*)

バレたとしても、殺されはしませんから安心してください(笑)。最悪でも、クビになるくらいです。

趣味のサークルなどに参加してみる

女性として働く勇気がないという人は、地域の趣味サークルやお料理教室などに参加するのもいい方法だと思います。自信がなかったら、男性も参加可能なものを選ぶといいでしょう。性別を言わずに、参加して、ほかのメンバーと仲良くします。女性の中で生活するうちに、女性らしいしぐさや女性としての性役割が身に付きます。

仮に、元男性だとわかっても、ほとんどの人は気づかないふりをしてくれるでしょう。もし、もとの性別がばれてしまったことで、気まずくなったらそのサークルをやめて、また別のところを探すこともできます。

女子会

元男性とバレても、違う!と言い切れる度胸

女性として社会で活動するうちに、自信がついてきます。すると、「元男性でしょ?」とばれても「違う!! 私は女性よ」といえるようになります。いくらあなたの体がゴツクて、他人から「あのひとニューハーフでしょ」といわれても、そんなの推測にしかすぎません。本当にニューハーフかどうかなんて、脱がせないとわからないですよね(-_-)/~~~ピシー!ピシー! 性別適合手術を済ませていれば、戸籍を調べない限りわかりません。そんな推測に過ぎないことをいわれて、落ち込む必要なんてないです(実際にMTFなのですから、推測は当たっていますけどね)。。

神のみぞ知る

なので、いくら疑われてもあなたがMTF・ニューハーフと認めない限りは、わからないはずです。

MTFに大切なのは、「ばれてもバレない!!」という心意気ですよ(笑)

 

 , , , , ,